「がんばって」って言葉が苦手な訳 〜うつ病の人にかける言葉って?

今日はまじめネタです。
うつ病に関連した話ですが、日常のコミュニケーションにも言える事かと思うので、
宜しかったら読んで、一緒に考えていただければと思います。

東日本大震災以降、復興のスローガンでよく聞く言葉で
「がんばれ」や「がんばろう」といった、
それとなく奮い立たせる為の言葉、溢れかえってますよね。
今に始まった話じゃないけれど、普段から無意識に使っちゃう言葉だと思います。

ただ、うつ病に関わる(患者・サポーター両方)方ならご存知かと思いますが、
この「がんばって」という言葉、安易に口にしない方が良い言葉だったりします。

頑張るというのは
「自分の中のエレルギーを消費して、何かに力を込めるということ」
だったりするので、
まず自分を犠牲にせずにエネルギーを補給・貯蓄しなきゃいけないうつ病の人は、
「あ、自分は休んでる場合じゃない。動かなきゃ。」と捉えられがちになります。

私の場合、うつ病にかかる以前から頑張るという言葉に対して抵抗感が凄くあって、
「頑張れって一体何したらいいんだよ」「私頑張ってないの?」
と思ってしまうことが結構あったんです。ひねくれてるかもしれないけど。

私が「がんばって」という言葉が苦手な理由はだいたい下の3つ。

  • あまりにもよく使われすぎてて、本来の意味がよく分からなくなってるから
  • 私は元々頑張ってるんですと言いたい気持ちでいっぱいだから
  • 置かれている状態も良くわからないのに、この言葉を投げかけるのは残酷だと思うから

もちろん、
今以上に踏ん張って、耐えて、乗り越えないきゃいけない事があるのは判ります。
例えばオリンピック選手がメダルに手に届きそうとか。
そういう時に「頑張って」というのは仕方ないかなと思います。

ただね、最初に書いたように、安易に使われすぎてて、
「ああ、この人本当に頑張って欲しいと思ってないだろうな』
っていう印象を抱いちゃうんですよね。

とはいえ、困っていたり闘っていたり、
何かに挑戦しようとしている状態を見たら励ましたくなるし、
その時になんという言葉をかければ良いのか?
そんないちいち気にとめてなんかいられないよ。
という意見も判ります。私も困ってるくらいですし。

私が嬉しかった例を参考までに書くと、

  • 「これまで十分頑張ってたよ」って事を伝えてくれた言葉
  • 何も心配しなくていいんだよという事を伝えてくれた言葉
  • 私には元々能力やチカラがあるんだからそれを使う前に充電しろという言葉

このあたりには励まされました。(勿論、他にも沢山あるんですけど)

今、病気で苦しんでることについての同意よりも、
休んでいいんだと安心させてくれる言葉や、
これまでの自分とこれからの自分に大丈夫といってくれる方が、
スッキリしました。

病気自体については、病院やカウンセラーさん、
あとは自分が必要だなって思った時に話をするので、
病気以外の、本来の自分について触れてくれたほうが嬉しいかも。

きっと、皆自分が思っている以上に頑張ってるんです。もともと。
怠け癖があるとか身体が弱いとか言っても、
それに対して申し訳ないと思うくらいなら、もうすでに頑張ってますって。
それ以上頑張らなきゃいけない時って、よっぽどです。

だから、頑張らないでいいかもよ。
大丈夫。思っている以上に能力はあるはず。
それを動かすエネルギー(充電量)が少ないだけ。